お疲れ様でございます。
今回は、
「今度説明しますね~。」と言っていた、
「鑑定会社」
をお題に進めていこうと思います。
それでは参りましょう。
まず、はじめにアンティークコインを鑑定する業者とは何なのか?
というところから見ていきましょう。
コイン鑑定会社は、依頼を受けたコインに対して
●真贋の見極め
●状態のグレーディング(格付)
●保護ケース(スラブ)に封印
をしてくれます。
偽物を排除しますし、グレーディング(格付け)を行ってもらえるので参考となる価格を調べ易くなります。
しかもスラブに入っていれば、
偽物でない限り鑑定済ですし、
コインが錆びたり傷が付いたりすることはありません。
スラブに入っていれば状態が悪くなることはないです。
鑑定済のモノは
「メンテフリー」かつ「安心」
というワケです。
(※スラブに入ってなくとも保管は普通にソーっと金庫にでもしまっておけばOKです)
ちなみにグレーディングは、1~70段階で示されて、70が最高です。
(グレードが70のコイン)
素人には判別できないような、
『コインの状態の差』
を鑑定会社が細かくグレーディングで数値化するので、
結果的に購入者の
不安を取り除き
売買がし易くなります。
やはり、
素人にはコインの状態の評価は難しいですし、
玄人でなければ、
普通は偽物かどうかすらわからないと思います。
鑑定会社という存在は、
アンティークコイン市場の参加者を増やすという意味でも非常に重要な存在です。
現在、鑑定会社には主に2社あります。
【NGC社】
https://www.ngccoin.com
【PCGS社】
https://www.pcgs.com
他にも鑑定会社はありますが、この2社でほぼ独占しているので覚えるのはこの2社だけでOKです。
どちらもアメリカの鑑定会社で、
PCGC(Professional Coin Grading Service)
⇒1986年設立
NGC(Numismatic Guaranty Corporation)
⇒1987年設立
何の略かは全く覚える必要ないです(笑)
どちらも30年以上の歴史があり、現在この2社がコイン鑑定の大部分を占めています。
そして、
これら鑑定会社では、過去に鑑定されたコインの詳細な情報を検索し閲覧することができます。
これがめちゃくちゃ重要なので、次は鑑定会社の「検索方法」について見ていきましょう。
PCGSの検索方法。
まず、最初はPCGSで見ていきます。
まずは検索窓に、
調べたいコイン名とか、人物名(Victoriaとか)を入力します。
それで虫メガネ(検索)ボタンを押すもしくは、キーボードの「Enter」を押すと検索が開始されます。
“Victoria”というワードで検索した画面
上のような画像が開くと思いますが、
ここで、黄色マーカー部分。
Victoria (1838 – 1901) – PCGS Population Report
Victoria (1855 – 1901) – PCGS Population Report
「Population Reportって何?!」
ってなると思います。
Populationとは、
個体数のことで、ここでは
「鑑定した枚数」
の意味です。
鑑定会社では鑑定してくれるだけでなく、
鑑定したコインの情報、
- コインの鑑定数(現存数)
- 過去のオークション履歴
- 現在販売中のショップ
- コインの詳細情報
などなどを提供してくれています。
これからアンティークコインを集めたり投資しようとするのであれば、
その時々に必要な情報を得る為の
「検索スキル」
が絶対に必要になります。
ちなみに、先ほどの
Victoria (1838 – 1901) – PCGS Population Report
をクリックすると、以下のような画面が開きます。
黄色マーカー部分がコインのグレードを表しています。(70が最高鑑定)
見方を言うと、青のアンダーラインの
「1839 Shil S-3904 No WW」
というコインはPCGSでこれまで合計34枚鑑定されており、
グレードが68のものは1枚あるよ。ということです。
また、更に詳しい情報を調べることもできて、
「1839 Shil S-3904 No WW」の左に書かれている、
薄い青字の「205215」ををクリックすると以下のような画面が開きます。
コインそのものの写真であったり、コインの発行枚数や材質などの詳細情報、
どのグレードのコインが過去にいくらで落札されているか?も見ることができます。
グレード68のコインは2013年1月にHA(Heritage Auctions)で4112$で落札されているようです。
あと、ここで重要なのは、
グレードが高いと落札価格も何倍にも高くなる
ということです。
まぁ考えれば当たり前のことですが、やはり状態の良いものは少ないのです。
本当に大まかな目安ですが、グレードが一つ上がるだけでも数は何分の一にも少なくなると言われています。
だからこそ稀少性が高まりますし、富裕層はやはり「一番」とか「良いもの」を欲しがるので結果値段は高騰します。
なので、我々もできるだけ状態の良いものを買い集めていくのがコツと言えます。
また話は戻りますが、上の画像の黄色マーカー部分
ここをクリックすると、オークションに関する詳細情報も見られます。
ヘリテイジ主催のオークションで、
「Ancient & World Coin Signature Auction」
(写真はSorheby’s です)
という名前のオークションがニューヨークで2013年1月に開催され、
このコインは出品、落札されたということです。
オークションの履歴やコインの情報が誰でも見られる状態にあるのは購入者にとって本当に有難いです。
このように価格の歴史もどんどんと積み上げられていくのです。
本当、コイン1つにも歴史がありますよね。
- どのような時代背景で
- 誰がデザインし
- どのように造られ
- 最初誰が手にし
- どこの国で
- 誰が保管し
- どのようないきさつで所有者を変え
- 幾度となくの売買を繰り返し
- 私の手元に来て
- 今後誰に受け継がれていくのか
などなど、考えれば果てしなく、
妄想の材料、酒のつまみとしては、
申し分ないかもしれません。
あと、注意事項としては、
全てのコインの情報が載っているワケではありません!!
もちろん、稀少性が高いコインは個人間売買されることも多く、
オークションに出品されること自体が少なかったり売買履歴が無かったりするので情報が見られないものも多いのです。
もし、PCGSで調べてダメならNGCで検索。
NGCでダメならGoogle検索、Heritage Auctions検索、ヤフオクの検索というように。
色々な方法で検索してみてください。
次にNGCの検索方法です。
NGCの検索方法。
まず、以下のURLをクリックします。
PCGSの時と同様に、「Victoria」というワードで検索してみました。
黄色マーカーをクリックすると、
下の方にスクロールすると価格の情報も見られます。
以上、人物名やコインの名前など、漠然とした情報からコインを調べる方法でしたが、
次は、鑑定済の特定のコインを直で調べる方法等をご紹介しようと思います。
PCGS鑑定済コインの検索方法。
鑑定済のコインを調べる方法には大まかに分けて2種類あります。
- コインの種類、一般的な情報を調べる
- 特定のコインを調べる
という方法です。
はじめは「意味わからん!」ってなるかもしれませんが、
実際にやってみればそんなに難しくないので、
現段階ではとりあえず流し読みで結構です。
(理解を深める為には何度も読んで手を動かして下さい)
コインの種類、一般的な情報を調べる方法。
例えば、PCGSで鑑定された以下のコインを調べようと思った場合、
スラブの中に記載されている、「388636」という番号を入力すると、
このような検索結果が得られ、それぞれクリックすると、
鑑定数や過去のオークション履歴、
コイン自体の情報が見られます。
お次は、まさにそのコインそのモノを調べる方法です。
まさにそのコインそのモノを調べる方法
スラブに書かれている、「17233894」を以下のリンクで検索します。
すると、以下のような画面が開きます。
まさに今手元にあるコインの情報が出てきます。
このように鑑定されてスラブに入っているものであれば、
必ずこのように何らかの情報、現物の写真が見られたりするので、
購入前には必ず確認することをおすすめ致します。
また、はじめからコインのオークション履歴を確認したいのであれば、
鑑定数を確認したければ、
を確認してみてください。
<リンクのまとめ>
項目 | URL |
PCGSトップページ | https://www.pcgs.com/ |
オークション履歴 | https://www.pcgs.com/auctionprices |
鑑定数 | https://www.pcgs.com/pop/uscoins |
個別コイン検索 | https://www.pcgs.com/cert |
NGC鑑定済コインの検索方法。
まず、以下のリンクをクリックしてみてください。
https://www.ngccoin.com/certlookup/
すると以下のようなページが開きます。
Cert#のところに例で入力してある、「3170372-001」を検索してみます。
(グレードは67で検索してみます)
Goをクリックすると以下のような画面が開きます。
これで面白いのが、$855.00の部分をクリックすると価格推移などが見られます。
また、以下の部分をクリックすれば、
ちなみにちょっと余談ですが、上の画像にもあるように、
「Melt Value」
なるものが載っていたりします。
これは融かした時の金属の価値を表します。
歴史的価値、美術品的な価値などではなく、
単純に金属としての価値です。
これがたまに金貨とかだと、
金価格の上昇がコインの価格に盛り込まれていない場合
があり、現在の金の価格よりも安くアンティークコインを買えてしまう。
なんていうこともあったりします(笑)
まぁ、アンティークコイン業者は過去にもっと安く仕入れていたりしますし、
いちいち金価格の上下によって値札を変えるなんてことをしょっちゅうしないからです。
普通に「金を買おう!」と考えているなら、
金価格かそれよりも安く買えてしまうこともあるアンティークコインを買った方がお得♪
なんて場合もあります。
さいごに。
先日お伝えした情報収集の仕方や、今回見てきた鑑定会社の検索方法など様々な検索方法がありますが、
1つの検索方法にこだわらず、色々な検索方法を試して頂ければと思います。
その為に、
まずは1つのお気に入りコインに絞って
Google検索、NGC検索、PCGS検索、など色々な検索方法を試してみてください。
そうやって1つのコインに対して深掘りしていくことによって、
- 検索方法の特徴
- 検索方法の良し悪し
- コインの現存数
- コインの相場
- 過去の売買履歴
などなど、多くの情報を得ることになり、
それが相場勘となりますし、経験、知識を蓄積させていきます。
そうすることでコインを投資と捉えた場合も投資の精度は上がるでしょうし、
結果、
- 大切な資産を手堅く守る
- 多くの価値を持つ実物資産を収集
- 歴史や美術品的な価値を愉しむ
- 次の世代へ継承する準備
ということが同時に達成できるかもしれません。
多分、「忙しい」とか「トレードで勝てない」という人は、
アンティークコインへの投資の方がハードルは低く、向いているのかもしれません。
(もちろん金ちゃんもです(笑) )
P.S.
今回お届けした内容は、
鑑定会社の機能を使って個別のコインの情報を検索すれば、ある程度の相場勘がわかるようになる。
というような内容でした。
しかし、
ここまでがいわゆる表側の情報。
裏側?
の情報はまた明日以降お届けできればと思います。
P.P.S.
これまでメルマガで鑑定会社の検索や、オークションの検索など、
インターネットでの検索方法をお伝えしてきましたが、
やはり書籍も実は外せません。
というのも、本だとやはりなんだかんだ見やすいですし、
何かあたまに入るんですよね。
しかも、
アンティークコインの価格において安心、透明性を作り出していると言っても過言ではない、
世界中の金貨の価格が載っている、
「Gold Coins of the World」
(9,900円くらい)
人気のイギリスコインの価格が載っている
「COINS OFENGLAND」
(5,000~6,000円くらい)
などは、コイン収集をする上では欠かせないです。
コインの価格の基準となるようなものですからね~。
でも、
デメリットはどちらも厚くて重いので、持ち運びに向かないことでしょうか(笑)
(電子書籍好きの方は電子書籍をどうぞ)
ちなみに、
これらの価格は発行の1~2年前のオークションでの売買履歴に基づいて決まっているので、
今現在で売買しようとするとカタログ価格よりも高いことが多いです。
っと、失礼!!余談が長くなりました。。
というワケで、
さいごまでお読み頂きありがとうございました。
それではまた!